マーケDX事例|部門内AI活用を実証し、定着しない課題を運用設計で解決
レポート集計や資料作成に追われ、企画・戦略思考に充てる時間がとれない状態が続いた
企業V社のマーケティング部門では、GA4やSalesforceのデータ集計、月次レポートの作成、外注先とのコンテンツ調整といった定型業務に多くの時間が費やされており、本来注力すべき企画立案や戦略思考に集中できない状況が続いていた。AIツールを導入したものの「使う人・使わない人」が分かれる状態が生まれ、ツールの費用対効果が見えにくくなっていた。
記事、ホワイトペーパー、スライド資料といったコンテンツの外注費は年々増加しており、費用対効果の見直しが経営上の課題となっていた。個々のスタッフが各自の判断でAIを使う方法では、部門全体の業務効率化につながらないことが明らかになっていた。
業務ツールと連動した14業務を「使える型」として定義し、誰でも同じやり方で動かせる仕組みを構築
VINは、「AIを個人が使う」状態から「AIが業務として動く」仕組みへの転換を設計した。データや依頼・取材メモをインプットとして受け取り、AIが処理してアウトプットを自動出力できる仕組みを、GA4・Salesforce・Confluenceなど既存の業務ツールと連携させながら構築した。担当者がコマンドを実行するだけで誰でも同じ結果を得られるよう設計し、個人のAIリテラシー(AI活用能力)に依存しない体制とした。
半年・1名の体制で14業務をスキルとして定義・実装し、月次レポート生成、コンテンツ作成、データ集計といった繰り返し発生する業務を自動化した。スキル化のアプローチにより、一度整備した仕組みを他のスタッフにも横展開できる基盤が整った。
月間工数が約86%削減、外注費を回避しツール費用対比でROI約12倍を実測
月間工数が約36時間(約86%)削減され、マーケティング担当者が企画・戦略思考に充てられる時間が大幅に増えた。コンテンツ外注費を100〜200万円相当回避でき、ツール費用(月$20)に対してROI(投資対効果)約12倍が実測された。
個人の工夫として進めていたAI活用が、部門の設計として定着したことで横展開の基盤が整った。他のスタッフや部門に展開することで、組織全体の効率化につながる仕組みとして機能するようになった。
まとめ
本事例は、AIツールの導入にとどまらず、業務ツールとの連携設計とスキル化によってマーケティング部門全体の業務自動化を実証した取り組みである。
本事例の核は、個人依存のAI活用を部門設計へと転換し、誰でも同じ結果を再現できる仕組みとして業務に定着させた点にある。こうした「現場の判断基準やルールを言語化し、それを支えるシステムとして実装・運用定着させる」進め方は業種を問わない。当社はその一連を一体で支援しており、今後も、AI活用の定着と業務効率化の組織的な推進を検討する企業に対し、業種を問わず現場の実態に根ざした支援を提供していく。