建設DX事例|大量図面の解析とBIM変換を自動化し、設計・積算工数を削減

⏺︎ 大規模建設プロジェクトを持つ企業G社 大量図面の解析とBIM変換を自動化し、大規模案件の設計・積算負荷を軽減した事例
大規模図面の積算に何人月もかかっていた現場の実態

企業G社では、マンション・プラント・設備といった大規模設計案件の積算に、担当者が長時間をかけて手作業で取り組んでいた。図面枚数が多くなるほど積算工数は比例して膨らみ、3日以上を要するケースも珍しくない状況だった。担当者の時間の多くが図面の読み込みと転記に費やされており、本来注力すべき設計品質の向上や顧客提案に充てられる余裕がなかった。

また、管理図面は2D形式のままで、BIM(Building Information Modeling、3次元建物情報モデル)化への移行が社内で長年の課題として積み残されていた。BIM導入の必要性は認識されているものの、既存2D図面を3Dに変換するコストと工数がハードルとなり、移行が進まない状態が続いていた。さらに、過去案件の設計ナレッジや類似図面が担当者個人のフォルダに蓄積されたまま活用されておらず、同様の設計を再度一から行うという非効率も発生していた。

図面入力から積算・見積出力の自動化と、2D図面からの3Dモデル生成

VINは、CAD・PDF形式の図面を一括入力するだけで積算、部品リスト、見積を自動出力できる仕組みを構築した。図面フォーマットの標準化を初期工程として整備し、自動処理の精度を確保できる前提を整えた。これにより、3日かかっていた積算作業を1日以内に圧縮することが可能となった。

2D図面からBIMモデルへの自動変換機能も導入し、BIM移行に伴う変換コストと工数を大幅に削減できるようにした。過去に設計した類似図面をAIで即時検索できる機能も合わせて実装し、担当者が個人の経験として抱えていた設計ナレッジを全社共有の知識基盤として活用できる構成とした。機密性の高い設計データを扱う環境向けに、オンプレミス構成での導入にも対応している。

積算リードタイムを最大60%短縮、設計資産の全社活用を実現

積算リードタイムは最大60%短縮され、担当者が図面読み込みと転記に費やしていた時間を大幅に削減できた。転記作業の自動化により入力ミスのリスクを大幅に低減し、積算の正確性も向上した。BIM移行に要していたコストは、2D図面からの自動変換により大きく削減された。

個人フォルダに眠っていた過去の設計資産が検索・再利用できる状態になり、類似案件への対応速度と設計品質が向上した。担当者が異動や退職した際に起こりがちな設計ナレッジの断絶リスクも、組織知化によって大幅に低減された。

まとめ

本事例は、大量の設計図面の処理とBIM移行という二重の課題に対して、図面解析の自動化と組織ナレッジの活用基盤を一体で整備した取り組みである。

本事例の核は、担当者個人に蓄積された設計判断の基準と図面処理のルールを言語化・構造化し、一気通貫の自動処理システムとして実装した設計にある。こうした「現場の判断やルールを言語化し、システムとして実装・運用定着させる」進め方は業種を問わない。当社はその一連を一体で支援しており、今後も、図面管理の非効率や属人化・知識断絶を課題とする企業に対し、業種を問わず現場の実態に根ざした支援を提供していく。