システム刷新事例|分社に伴う営業システム分離を可視化と統制設計で推進

⏺︎ ITサービス企業B社 分社化に伴う営業システム分離で、影響範囲の可視化と統制強化を進めた事例
AIソリューション DXコンサルティング ローコード・ノーコード導入 IT業界
長年つながり合ってきた複数のシステムで、どこを切ったらどこに影響するか見えなかった

企業B社では、分社化に伴い営業を支える複数のサブシステムを分離する必要が生じた。しかし長年の運用を経てシステム間の連携が複雑に絡み合っており、どこを切り分けると何に影響するかが判断できない状態だった。仕様書や設計書が十分に残っていない領域も多く、調査のためのリソースを確保しながら並行して分社対応を進めなければならない状況だった。

分社後は情報をシステム上で分けるだけでなく、誰がどの情報にアクセスできるかを経営や監査に対して説明できなければならなかった。情シスにとってはシステム移行の問題であっても、管理部門にとっては統制と法令対応の問題であり、技術面とガバナンス面を同時に整理しなければならない難しさがあった。

いまの業務とシステムのつながりを見える化し、分社後の統制ルールを説明できる形に作り直した

当社は、先に移行方式を決めるのではなく、現行業務とシステムの依存関係を可視化することから着手した。部門ヒアリングとログ解析によってAS-ISを整理し、必要に応じてリバースエンジニアリングも実施しながら、分社後に残すべき連携とそうでない部分を明確にした。この整理を土台に、どの移行対象を優先すべきかの判断基準を情シスと合意した。

整理されたAS-ISをもとに分社後の運用を前提としたTO-BE設計を策定し、アクセス制御についてはRBAC(ロールベースアクセス制御)を軸に再設計した。技術的な分離にとどまらず、誰がどの情報にアクセスできるかを体系的に説明できる構成として整え、管理部門と経営層が納得できる統制の根拠を用意した。

影響範囲が見えたことで関係者の合意が進み、分社後も使える資料として残せた

影響範囲が見えないまま議論が長引いていた状態が解消され、移行対象と優先順位が整理されたことで分社対応の合意形成をスムーズに進められるようになった。情シスは技術的な移行計画を立てやすくなり、管理部門は情報遮断や権限制御の考え方を社内外に説明しやすくなった。

整備された構成図や依存関係の資料は、分社対応後の追加改修や監査対応でも繰り返し活用できる資産として残った。移行プロジェクトを単発で終わらせず、後から説明できる基盤として機能させられたことが、この種の案件で最も重要な成果だった。

まとめ

本事例は、分社化という組織変更に伴うシステム分離を、可視化と統制設計の観点から一体で推進した取り組みである。

本事例の核は、現行業務とシステムの依存関係をAS-ISとして整理し、それをTO-BE設計とアクセス制御の再構築に直結させた進め方にある。こうした「組織変更に伴う業務・システムの実態を可視化し、技術とガバナンスの両面を整理しながら移行を進める」アプローチは業種を問わない。当社はその一連を一体で支援しており、今後も、分社・組織再編に伴うシステム整理や統制設計の必要性に直面する企業に対し、業種を問わず現場の実態に根ざした支援を提供していく。